そこにしかない個性。それはオブザイヤー

【絶景と珍景の旅ブログ】仕事の合間に旅をして。忙しいサラリーマンに寄り添う旅人に、そんな風に私はなりたい。オブザイヤーはただの口癖です。

ねこ、最後は打ち勝つ ~お松大権現~

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〇個性:★★★★☆ ねこ大仏にねこ明王。ねこ三昧!

一言紹介:飼い主の無念を晴らした三毛猫が祀られる勝負事を司る神社。

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2020年しょっぱなの旅路は徳島県。勝負事に御利益のあるお猫様がいると聞いて初詣に徳島県阿南市(淡路島寄りの海辺だよ)お松大権現へやってまいりました。

 

 

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商売繁盛しようぜっ

 

 

B級スポットだろうし人なんていないだろうな~って思ったら地元の中では定番的な神社っぽく朝早くに行きましたが駐車場は全部埋まってました。_(:3 」∠)_

 

勝負事の神社なんで受験生とかみんな来るようですね。私が行った時は野球のちびっこ達がわんさかいて賑やかでした。

 

 

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入口からお猫様

 

 

 

神社は駐車場から歩いてすぐ目の前。新年早々に行ったのでテキ屋が2,3軒並んでましたね。新人さんがニコニコ顔のお猫様の前でえらい怒られててシュールでしたよ。

 

 

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にゃんにゃん

 

 

鳥居の下にはにゃんこの足跡が。ディテールまでこだわった良き神社ですね。猫好きの気持ちをよくわかってる。素晴らしい。

 

 

 

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勝負事の神様らしく赤基調の強気な佇まい。

 

 

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にゃんっ

 

屋根瓦ももちろんお猫様。凛と胸を張って立つ(座る?)姿はまさに獅子なのである。

 

 

 

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お松大権現の境内には神社のお猫様像に加え、信者が奉納して増えていく招き猫が鎮座しています。

 

東京の豪徳寺が日本一招き猫が鎮座する寺社だと思ってましたが、外に出ているお猫様の数だけ見るとお松大権現の方が圧倒的に猫々しかったです。

 

 

konsoyage.hatenablog.com

 

 

 

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にゃむ~

 

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にょほほ

 

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 にゃごぉ♡

 

 

 

さてこちらのお松大権現、名前の由来は江戸時代初期にこの地に住んでいた惣兵衛という庄屋(村長みたいなもの)の妻、お松から。招き猫溢れるお堂の中にその経緯が説明されていました。

 

 

 

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一歩足を踏み入れると整然と並ぶお猫様。

 

 

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要約すると村のために動いた惣兵衛を騙した金持ちが奉行と組んで惣兵衛夫妻を陥れ、妻のお松と飼い猫の三毛猫が死後に仇を討ったというお話です。

 

 

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今から三百年前、賀茂村で庄屋の惣兵衛が土地を担保に野上三左衛門に借金をする。このお金でお松に悲劇がもたらされる。

 

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惣兵衛は25歳で家督を継ぎお松と結婚した。二人の間には子供がおらず猫を可愛がっていたがその猫がこの度の事件の唯一の生き証人となった。

 

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(借金の)返済期限が近づいたある日惣兵衛は通りすがりの三左衛門に金を返すが、通りすがり故領収書を持ち合わせておらず、その後惣兵衛は領収書を受け取ることなく四十六歳で病死してしまう。

 

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惣兵衛の死後、後任として親戚にあたる蔵之助の家臣、西伝五兵衛が任命される。お松は郷里へ返されるべきであったが三左衛門との一件があるため伝五兵衛夫妻預りの身となり三左衛門と対峙する。

 

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(お松は)何度も領収書を請求するが三左衛門はお金は受け取っていないとし、さらに返済を迫る始末。担保の土地も勝手に田植えをして奪い取ってしまう。途方に暮れたお松は奉行(役人)に訴え出る。

 

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奉行は(お松の)訴えを聞く度にお松の美貌に対して邪な想いを抱くようになり、ある日自分の愛人になるよう言い寄ってきた。唖然としたお松は、執拗に迫る奉行の手を振りほどき逃げるが数日後、奉行からの怒りの裁きを受ける事になる。

 

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またその時、奉行は三左衛門から賄賂を受け取っており、捻じ曲げられた裁きであった。それに対してお松は死を決して(藩主に対して)直訴する事を決める。貞享三年、藩主が乗った籠の前に若い女(お松)が命の叫びともいえる訴状と共に伏し、辺りが騒然となった。悲壮がにじむ表情が妖しくも美しい様子であったという。

 

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当時直訴は死罪。囚われの身となったお松は役人監視の下帰宅するが、やがてその時は来た。賀茂の河原で刑を執行しようと役人の刃が冷たく光ったその時、風が吹き荒れお松の黒髪は炎のように逆立ち、月の光でお松の白衣が浮き立つのであった。

 

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逆立つ黒髪が後光となり役人の目には(お松が)菩薩像のように映った。菩薩を切るわけにはいかないが刑を執行せねばならない役人が念仏を口にし、刃は叫びもない静かな中振り落とされた。さらに刃は猫にも振り落とされた。貞享三年三月十五日の事であった。

奉行は悲鳴にも似た猫の声で目覚める。しかし耳を澄ましても(ししおどしの)水音しか聞こえない。気のせいだろう(と思うと、)

 

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そこに女の声がした。聞き覚えのある下女(≒身分の低い女)の声である。女が行灯に灯を入れ、明るくなる部屋で照らし出された女の不気味な白い顔、そしてその影が伸び、障子に牙をむいた猫が写し出され奉行は血が凍り付くような恐怖に襲われる。

 

この日から奉行・三左衛門の家を様々な怪異が襲い、やがてその家は断絶する事になったのである。

 

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みゃあ

 

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美しいお松と可愛い三毛


 

胸がスッとするようなそうでもないようなお話ですが、やがてお松と三毛猫はこの地でお松大権現として崇められるようになりました。最終的に恨みを晴らした事から転じて勝負事に勝つという御利益が生まれたようですね。

 

 

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境内をお散歩すると何かと猫を主張してくる猫好きにはたまらない空間ですよ。

 

 

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お供え物はシーバ!

 

現代の美味しいものを食べて三毛もご機嫌な事だろうな。

 

 

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こちらは猫大仏。大仏にする必要あったかって?信仰の表れさ。

気にすんなよ。

 

 

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こちらは猫不動明王不動明王にす必要・・以下略

 

 

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お供え物は小魚でした。

 

 

 

 

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理不尽な仕打ちを受けたお松と三毛ちゃん。今はあっちで幸せに暮らしてるといいな。

 

 

 

 

・・・ちなみに500円で交通安全のステッカー買いましたけど帰りの車に乗り込む時には早速どっかに落としてきました。

 

幸先の悪いスタートでしたがなかなか見ごたえのある神社だから気にしないよ。

 

 

 

 

2020年1月4日訪問

 

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●お松大権現

住所:徳島県阿南市加茂町不け64−1

時間:-

参考URL:お松大権現 | 公式サイト。お松大権現は、勝負事・願い事の神様として知られ、境内には約1万体の招き猫が奉納されている神社です。