〇個性:★★★★★ 廃墟と良泉のマリアージュ
〇一言紹介:崩落した家屋の中に佇む良質な廃墟温泉です。
【追記】
※2019年閉業との事です。ご主人お疲れさまでした。。※
誰かが言った。
良き温泉とは、泉質・趣・解放感だと。
そして私は思う。
良き温泉とは、泉質・趣(珍度)・閉塞感だと!!
至高の珍泉をご紹介しよう、栃木県那須に存在する老松温泉だ!!
初見の人の頭はきっとほんわかぱっぱか。
何を隠そうこの老松温泉、旅館としては今は営業していないであろう喜楽旅館の中にある温泉。
建物自体は台風やら地震やらで崩壊してしまったもののめげずに(おそらく)温泉だけ営業を続ける珍スポマニアの中では知られた湯なのである。
なんかの本で見て以来この建物の中に温泉があるという意味がどうしても分からず2019年GWに実際に訪問してきました。
日もうっすらと傾きかけてきた頃にたどり着きました。きれいに整備された道路が続きますがこの先に温泉があるなんて想像つかない感じの道です。
なぜなら道行く建物すべて廃墟だから
そんなに人里離れた場所にあるわけではありませんが、川を隔ててこっち側の世界は全滅したの?そんな場所。(川の向こうは営業中のホテルがしっかりありました。)
那須の珍湯。笑
この綺麗な石案内板がなければ引き返すのがきっと正しいと思います。砂利道が現れるあたりで駐車場が出てくるので車はそちらに停めて向かいましょう。旅館まで歩いて3,4分くらいですよ。
駐車場。けっこう広い
たどり着きました。車は旅館のおっちゃんの車です。
良心的に見ても廃墟にしか見えない建物しかありませんね。
冒頭にある崩落した建物は左側のやつです。
崩落してないじゃんー
大袈裟に書きやがってーー
くっそーーーー
て、珍スポット訪問時あるあるの感情を心に歩みを進めていくと
( д) ゚ ゚
゚Σ゚(Д)
何があったん?笑
がっかりしかけましたが裏側はがっつり崩落してました。おそらくは客室であったであろう部屋が丸見え。消火器もお布団もすべてそのまんまで惜しげもなく実に丸見えでした。
ここまで清々しく壊れていると営業しているかどうか不安になりますがしっかりと営業中の張り紙がしてありました。
休憩・宿泊が出来ます。
この時も思って後からも分かったけど宿泊は出来ません。(´・ω・)
温泉のある建物の向かいにおっちゃんが居る建物があるのでそちらで料金を払って入浴します。
この建物ね
おっちゃんっ!やってる?
(・∀・)∩ヨッ
やってないね・・おっちゃん・・
・・いらっしゃい。
_(゚;ё;゚;` 」 ∠)_[布団
Σ( ;°Д° っ[障子
そういう登場の仕方?!
破れまんちくりんの障子から起き上がりもせずにおっちゃんが現れます。実に興味なさそうにお金受け取って好きにしてっていわれました。笑
嘘です。盛りました。
おっちゃんが出てきた障子はかろうじて破れてません。
でもすぐ隣の障子は破れまくりんぐでした。
凄いよ老松温泉、まだ入ってないのにすっごい楽しいよ。
潜入開始です。
だいたいこういう場所って誰も居なくてその空間を一人占めできるもんなんですけどこの日はGWという事もあって家族連れの先客がおりました。
下から子供の声聞こえてくるからスリッパないと『幽霊?』って思ったと思う。
趣有る良き構造
ほぉ
ぉぉ・・
ちゃんと電気ついているのが逆に怖い。笑
水回りはちゃんと整備しているようで経年劣化はあるものの洗面所は綺麗でした。
でも伝わるかな?
床は抜けないかどうかひと踏み毎に不安になる設計。期待はあくまで裏切りません。
天井落ちてこない・・?大丈夫?
温泉は階段降りたらすぐ目の前なんですけどせっかくなんで散策して決ました。
この辺はまだ綺麗
土壁が露出して洞窟へと歩みを進める廊下
学校の怪談を思い出す手洗い場
最後のお客さんが使ってそのまんまであろうお部屋に
案外まだ泊まれるんじゃね?な部屋
外から見ると結構小さく見えますが旅館内はどこにそんなにスペースあるのってくらい広いです。すべて見て回ろうとすると迷って一生出られなくなりそうなので途中でやめておきました。
↓階段降りるとこまではこちら
老松温泉への道!!
命からがら温泉まで戻ってきました。
さ、温泉浸かるかな。
狭くてシャッターポイント見つからないのでうまく全体感撮れませんが脱衣所から趣というかなんと言うかたまらない雰囲気です。昭和と言わず大正までタイムスリップしたようなレトロな空間。
ちなみにチャイルド達その親御さんが出ていくまで待ってましたが服着るチャイルド達に延々とでぶでぶ言われました。
元気でよろしい。次会ったらぶっ飛ばす。
ちなみに私は標準体型です。
おぉ
何とも美しい乳白色!
老松温泉は30~40度くらいの自家源泉。弱アルカリ性のオーソドックスな硫黄泉だそうです。あんまり熱い湯は苦手な私がちょうどいいなってくらいの温度でした。
一応蛇口ひねって源泉注ぎ足してほんのり温度は調整できるようです。こもっている感じですが窓は自由に開けられます。そんなに硫黄臭もきつく無いのでゆったりと長時間のんびり浸かれますよ。
ぼやけて分かりづらいですが決して清潔とは言えない感じなのできれい好きの方にはお勧めできません。個人的にはこの悠久の歴史を感じるいい意味のボロさは大好物ですのでレトロな趣向がある方には垂涎ものかと。
さいこーやでぇ
ただぼろいだけでこんなに楽しめる温泉が未だかつてあっただろうか。
この後の旅路に想いを巡らせながら小一時間ゆったりとした時間を過ごさせてもらいました。
○ o
_ 。 ┌┐ 湯船サイコー
┻┓ んvヘゝ
|||。o(´・ω・`)
( ̄ ̄o∪ ̄∪ ̄○ ̄)
.i ̄○ ̄ ̄○ ̄o゚ ̄0i
(_oノ_O_゚_Oo_)
泊まれたらぜひ泊まってみたいですが『ええよっ』て言われても一人で寝る勇気がないので何も聞かずに温泉を後にしました。
ここは東北に抜ける時の定番ルートにしよう。
また来るよ
●老松温泉 喜楽旅館
時間:8:00~20:00(年中無休)
料金:大人500円/子供(0~10歳)300円
参考URL:そんなもんねぇ!